大分県生活協同組合連合会
大分県生活協同組合連合会
〒870-0278
大分市青崎1丁目9番35号
TEL:097-527-4056
会長理事 青木 博範
設立年月日 1955年11月6日
県連加盟数 12

平成26年2月21日(金) 大分県と大分県生協連の主催で、『2013年度消費者被害をなくすための講演会』が開催されました。

 特定非営利活動法人大分県消費者問題ネットワークと大分県消費者団体連絡協議会の後援も受け、全労済ソレイユ7階「カトレア」で、約160名の参加者で開催されました。

 講演会は、南條県連理事・大分大学生協専務理事の司会で、青木県連会長理事の主催者挨拶から始まりました。青木会長から『ここに参加の皆様は、消費生活相談員になるつもりで(なったつもりで)お話を聞いていただいて、お近くの方といろんなお話をして相談相手となっていただいて、大分県から消費者被害を出さないようにしていただきたい』との、お話がありました。

 会は二部構成で、最初は大分県消費生活相談員劇団「いかさま商会」による寸劇でした。

1ハイハイ学校(催眠商法またはSF商法ともいい、販売目的を告げずに人を集め、高額な布団や健康食品等を売りつける商法)の実演とクーリングオフの内容と手法の紹介 2オレオレ詐欺(振り込め詐欺)の手口紹介 3祈祷商法(人生相談や開運招福祈願)の実演及び御祈祷もクーリングオフできるとの紹介 の3つの寸劇が行われました。特に、ハイハイ学校は、会場の皆様の参加型寸劇でステキなプレゼントもあったりして、とても楽しい笑いの絶えない半時間でした。大分では10年以上前から消費生活相談員が中心となって、啓発講座、出前講座、消費生活センターの行事の折等に、悪質商法を紹介する寸劇を上演してきました。なかなか好評で県外からの上演依頼もあり、活動を継続しています。 

 続いて、立命館大学・国際平和ミュージアム名誉教授の安斎 育郎氏による「人はなぜ騙されるのか?」と題しての講演が行われました。安斎教授による同様の講演は今回が2回目で、前回は「だます心とだまされる心」と題して一昨年3月に、大分県消費者問題ネットワークが全国で10番目、九州では最初の『適格消費者団体』認定を受けた記念として開催された講演会でお願いをしました。

 安斎氏からは簡単な経歴紹介(1940年=皇紀2600年生まれ、9人兄弟末子等)の後、1.心配な近年オカルト事情−非科学に身を寄せるのは危うい として、(1)「スプーン曲げ」に見る体験を絶対化しがちな人間の危うさ−スプーン曲げをやってみよう⇒手品としての「スプーン曲げ」の種明かしやそれにまつわる話〜見たまま聞いたままが真実だと思い込むことの危うさの紹介 (2)血液型による人間の見立ては危い−血液型因子が完全に一致する確立は4千兆分の1以下⇒血液型は自分では選べない。自分で選べない事で能力判定等をされるという事は文化的暴力である。自分から話題にしてはいけないがそういう人ほど騙されやすい。(3)『霊はあるか』(講談社)に書いたこと−死後の世界は「死」にまつわる4大テーマの一つ⇒日本人は霊に弱い。霊は科学的な意味では存在できない。 (4)大詐欺師フランク・アバグネイル著『華麗なる騙しのテクニック』から何を学ぶべきか?⇒不幸な人ほど狙われる。(5)「3枚のカード」の手品が教えること−人間は騙されやすいということを骨の髄から知ろう⇒人間は一部を見て全体を推し量る事ができるが、それが仇となって騙される。電話一本で騙されることになる、などのお話がいろいろな事例で紹介されました。

2.人はなぜ騙されるのか?−4つのだます:騙・瞞・詐・欺 の違いや(1)「思い込み」と「欲得ずく」が錯誤の世界への大きな落とし穴である事、 (2)思い込みは危ないという話−みなさんの思い込みをテストする。〔4文字熟語〕○肉○食⇒弱肉強食ではなく焼肉定食、品○方○⇒品行方正ではなく品川方面、一○○中⇒一発必中ではなく一家心中・一口最中、首○一○⇒首尾一貫ではなく首狩一族、一○一○⇒一日一善ではなく一日一発〔短文を作れ〕〜留学生向けのテストで1いわば、2あたかも、3どんより、4うってかわって を使った短文例 〔牛飼い少年〕牛のおっぱいを持ち上げて時刻を当てるアルプスの少年 のお話、 (3)インチキの見破り方−そんなことが出来るならどうしてこれが、あの時出来なかったのか?等と疑ってかかることが必要である、とのお話がありました。

最後に、3.振り込め詐欺などにあわないための10か条として、

(1)さっきまで必要としなかったものは、きっぱりと早め早め(10秒程度)に断る。

(2)おだて(煽て)やくすぐり(擽り)に乗らぬよう心を引き締める。

(3)家に入れたり一人で対応したりして丸め込まれないよう注意する。(最低2人)

(4)「もしかすると詐欺かもしれない」という意識をもって、警戒する。

(5)先方からの一方通行の情報を鵜呑みにせず、独自にチェックする。

(6)流行しつつある詐欺についての情報を学び取り、十分に警戒する。

(7)独り暮らしの高齢者などには、集団で「安全保障体制」を構築する。

(8)発注した工事などは業者任せにせず、早い段階で現場で監視する。

(9)安易に「楽をして得を取る」ような欲得ずくの生き方を卒業する。

(10)「おかしいな」と感じたら心の内に閉じ込めず、関係者に相談する。

が説明されました。

家族が仲良く何でも言い合える関係を築いていくことが詐欺から身を守る上でも大事である。それが出来ない場合は、生協や消費者センター、役所の相談窓口に行けば良い。

最後に、先ほどの楽しい寸劇やパンフレットなどで紹介されているいろんな事例を参考にして、折角の人生だから、自分が苦労して築いた財産やお金、或いはや健康を損なったりすることのないように、お互いに注意していきましょう、とまとめられました。一貫した軽快な「安斎話術」に、参加者全員がいつの間にか引き込まれてしまうという、あっという間の90分間でした。

▲このページのトップへ

大分県生協連ホーム
大分県生協連ホーム