10月22日「第18回大分県生協大会」を開催しました
大分県生協連に加盟する12の生協は、生協運動の発展と会員相互の交流を深めるために、「第18回大分県生協大会」を県生協連主催で、10月22日(水)、全労済ソレイユにて開催しました。
今回は、講演として『食の安全について』をテーマに、農林水産省九州農政局大分農政事務所より講演をいただきました。
この日は、県下の生協組合員や役職員など約100名が参加し、大分県勤労者医療生協の中村慎一さんが総合司会者となり大会が進められました。
最初に、主催者を代表し、県連の足立会長理事が「生協大会は『生協法制定』を記念して毎年開催しています。 1948年に制定された生協法は半世紀以上にわたって実質的な改正がほとんど行われていませんでしたが、その後、社会・経済が大きく変化する中、生協の購買・共済・福祉・医療をはじめとした事業活動も発展・多様化し、国民の生活に大きく影響するようになり、今回60年ぶりに改正されました。事業は大変厳しくなっていますが、生協会計から一般会計への変更など対応しなければならなくなりました。食の安全・安心では食品偽装、中国手作り餃子の中毒問題、事故米の問題、また、振り込め詐欺事件の増加など消費者をとりまく諸問題はあとを絶ちません。そのような中、大分でもネットワークを作り、生協組合員は自立した運動を取組んでいます。行動する組合員になりましょう」と挨拶しました。
次に、来賓の小野弘利大分県議会議員から「政治・経済の混乱が続いている中で、生協運動を続けるには4つの条件がある。(1)国や県が赤字の中でどうするのか、(2)人口減少や少子高齢化、(3)金融問題や物価高、(4)貧困と格差の問題等、このような中で生協は変化に対応していかなければならない」との挨拶があり、同じく酒井喜親大分県議会議員からは、「食品問題は毎日、新聞を賑わしているが生協の出番が来た。大分県でも食の安全・安心のために食品検査を行っているが農薬中心であり、一般食品についても行うよう行政に働きかけていきたい」と挨拶がありました。
講演では、農林水産省九州農政局大分農政事務所消費安全部長の沖田 博氏より『食の安全について』と題して、1時間半ほどの講演をお願いしました。講演内容の概要は次の通り。
食の安全とは、一番大切なのは飢えないこと、第一部で「世界の食料事情」として、(1)穀物需要が増加する一方、生産量は変動を繰り返しつつこれに対応、(2)近年、穀物の在庫が減少し国際価格は上昇傾向、(3)世界の食料需要を決める要因、(4)人口と所得の増加により食料需要が拡大し、(5)畜産物の生産には多くの穀物が必要、(6)単位面積当り収穫の伸びにより需要に応じた生産を実現、(7)バイオ燃料の生産が大きく増加し非食用の穀物需要が増加、(8)バイオ燃料需要の増加により食品価格が上昇、(9)中国の経済成長により食料需要が大幅に増加、(10)世界各地で農産物の生産条件が悪化、等。
続いて、第二部「わが国の食料事情」として、(1)私たちの食生活の姿は大きく変化、(2)食料自給率は戦後大きく低下、(3)世界の食料需給は、わが国の食料需給に大きく影響、(4)現在の食生活を前提にすると国内生産だけでは食料を100%自給することは困難、(5)生産面では国内生産力が低下したことの原因、等。
また、第三部「今後の食料需給の見通し」として、(1)わが国の輸入食料の確保が厳しくなる可能性、(2)食料の奪い合いにより、わが国の食料調達に支障が生じている、(3)食料については、いざという時は自国内の供給が優先、(4)国内農地は昭和20年代の食生活を維持する水準ぎりぎりまで減少、(5)食料需給が今後いっそう厳しくなると見込まれる中で、どのように対応すべきか、等。
さらに、第四部「未来への課題」として、(1)関係者が一体となって課題に取組むことが必要であること、(2)政府としての取組み等について、スライドを使って詳しくお話していただきました。
沖田部長の講演をふまえ、引き続き意見交換が行われ、時間の関係で発言出来なかった方も出るくらい多くの参加者から意見や質問がありました。身近なテーマであったことから有意義な講演となりました。
最後に、生協コープおおいたの組合員が、「私たち大分の生協は、組合員一人ひとりの願いを大切に地域や職場、学園に根ざした活動を進めてきましたが、これからも食の安全・安心、平和や環境問題、福祉や医療・介護問題等、課題は山積しているが、協力と協同を強めて組合員自ら、これからの運動と活動を成功させましょう」と大会アピールを読み上げ、それを参加者全員で確認して、大会を終えました。
以上
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